僕の知らない妻・仁美まどかの顔
元読者モデルの奥さん(仁美まどか)は街を歩けばすれ違う人に振り向かれる程の美人ですよね。でも派手な見かけによらず身持ちの堅い所が結婚の決めてでしたね。もちろん知ってます。料理も上手で気が利いて優しくて、相思相愛。本当にうらやましいです。ただ、スマホにはいつもロックが掛かってますよね。なぜでしょう?気にならないフリはもうやめませんか?信じている妻が、知らない所で誰かに淫らに染められていく絶望感。今まさに不思議と背筋がゾクゾクしているんじゃないでうか?
僕の妻は浮気をしない
「お前の嫁さん、本当に美人だよなぁ…羨ましいよ」金曜の夜、地元の友人と行きつけの安い居酒屋で久々に飲んでいる時のことだった。あまりにも唐突な話題に、思わず苦笑いしてしまったのを覚えている。「そこまで言う程でもないだろ」答えに詰まった僕は、ついお茶を濁してしまったが、実際うちの妻は美人だと思う。街を嫁と二人で歩いてると大抵の男はすれ違った後に振り返るくらいだし、よく芸能関係の名刺をもらって帰ってきたりもする。
「あれだけ美人なら他の男がほっとかないんじゃないか?」酔った勢いで無茶苦茶なことを言いだす友人をたしなめる僕には余裕があった。なぜなら妻は浮気をしていないから。それだけは自信を持って言える。かなり真面目な性格の妻は、人の道に外れたことはしない。というか、できない。唯一気になる事と言えば、妻が頻繁に誰かとLINEしていることくらいだ。
「気づいた時が絶望のはじまり」
どうやら僕は自分が思っている以上に嫉妬深かったようで、一度気になりだすと歯止めが利かなくなる性分らしい。できれば妻を騙すようなことをしたくなかったのだけれど、妻を信じているからこそ試してみたかったのだと自分自身に言い訳をする。
僕の知人で野菜の訪問販売営業マンという設定で、あいつは我が家の敷居を堂々とまたいでやって来た。営業マンというだけあって、さすがに口が上手い。次から次へと出てくる褒め言葉に妻もまんざらでもない様子だ。僕との会話では見せないような笑顔まで見せている。おいおい、そんなに楽しそうに会話をするなよ。なんだか知らないがイライラが収まらない。これが嫉妬というやつか。
絶望の瞬間は本当に訪れた。うそだろ?僕の妻が、心から愛している妻があんなやつと…。”それ”を目の当たりにした僕は爪が掌に食い込む血が滲むほど強く拳を握りしめていたが、痛みは全く感じていなかった。そんなことよりも、もっと別の感情…、裏切られたことによる怒り、嫉妬、悔しさ、惨めさそんな激情の数々が僕を支配していた。ただ不思議な事に僕の股間は今にもはち切れそうなほど勃起していて、今まで感じたことのない興奮に襲われていた。
僕はこんなに悔しいのに、妻はあんなに気持ちよさそうな顔で他の男に抱かれている。最愛の妻・仁美まどかの心と身体が徐々に間男に傾いていく絶望の物語。