家庭教師に誘惑に負けた葉山めい
まるで芸能人のような可愛さで、お父さん想いの優しく素直ないい子ですよね。料理が好きで家庭的な性格だし、整った顔立ちは近所でも評判になっていますよ?成績も学年上位で非の打ちどころがありませんね。でも…貞操観念の方はどうなんでしょうね?信じている娘が知らないところで誰かに淫らに染められていく絶望感。今まさに不思議と背筋がゾクゾクしているんじゃないですか?
ファザコン娘の葉山めいと父親との幸せな日常がどれほど脆く儚いものなのかを、あなたはまだ知らない。
うちの娘にかぎって…
子供の反抗期というのは怖いもので、親なんて煙たいだけだと無視され続けるのはもちろん、事あるごとにぶつかり合い、あげく家庭内暴力に繋がることもあるし、いずれにせよ子供の気持ちが薄れていく多感な時期だのだ。
僕には高校生になる一人娘がいるのだけど、不思議なことにその反抗期といものが存在しない。中にはたまにそういう子もいるらしいのだけど、僕の娘は少し度が過ぎているというかなんというか…。
例えば僕は「さて、風呂に入るか」と言うと、すると「よしっ!行こう」とまさかの一緒に入ってくるパターンのやつだ。女子校生が父親とはいえ大人の男の風呂に平気で入ってくるなど、その子供っぱさというか女性としての自覚の無さに不安を感じたのは一度や二度のことではない。
他の男性との付き合い方や距離感のバランスについては大丈夫なのだろうか?貞操観念というやつは、きちんと持てているのだろうか?
疑惑と疑念と理想と現実
恋愛には極度に奥手だった僕と身持ちが固い妻との子だから心配はないのだろうけど、変な男につかまって欲しくないという想いは常にあって、娘には悪い気がしたが「性の素行調査」というものを試してみたくなったのは、そんな理由からだった。
家庭教師という設定で間男は我が家にやってきた。年頃の女の子に対してもボディタッチを躊躇しないハートの強いおじさん先生に、平成生まれの娘は正直かなり引いているようだったが、次第に慣れてきたのか、まんざらでもない二人の距離感を薄々と感じて、凄く不愉快な気分になった。
そんなある日、訪問時の映像を見て一気に血の気が引いた。絶対に見たくない、見てはいけないものであるはずなのに、僕の目は画面に釘付けになっていた。屈辱と絶望、怒りと憎しみ、そして哀しみ。大きすぎる感情の渦に飲まれ過呼吸で気が遠くなりそうなその時、娘がまるでこれが最後かのように画面に語りかけていた。
「お父さん?先生とこんな事してごめんなさい…。バイバイ」