美咲ゆうの裏の顔
読者モデルだった美咲ゆうのハートを見事に撃止めてゴールイン。ルックスはもちろん性格だって良し。料理も上手で夫に一途。いつも仕事で忙しい夫を献身的に支えてくれる。でも、夫は仕事中、妻の美咲ゆうが何をしているのか気になり始めていた。
疑う余地なんてないと信じている妻の美咲ゆうが、知らない所で誰かに淫らに染められていく絶望感。今まさに不思議と背筋がゾクゾクしている夫だった。
最愛の妻「美咲ゆう」の心と身体が徐々に間男に傾いていく絶望の物語!
僕のことが大好きな妻だから
心を救ってくれる言葉というものは確かにあって、僕にとってそれは妻の「お仕事お疲れさま」だったり「いつもありがとう」や「今日もかっこいいね」と言った、労いや称賛の言葉にあたるのだけど、妻からしてみればそれは日常的なごく当たり前のことで、僕を救っているつもりなんてまったくないんだろう。そのおかげなのか僕たち夫婦はとてもうまくやれていて、俗に言うラブラブな状態が何年も続いている。
手前味噌になるのだけど、元々読者モデルをやっていた妻はスタイルも良いし美人だ。昔は粉をかけてくる男も少なくなかったみたいだ、なぜ僕を選んだのか聞いてみたら、「浮気をしなさそうだったから。あと…大好きだし」と冗談めかして笑った。
確かに僕は浮気なんてしたことないし、妻と結婚を決めた理由も派手なモデルという職種にも関わらず身持ちが堅く一途だったからで、そういう意味では、お互いパートナー選びに性交していたんだなと妙に納得してしまった。
「今でも街でナンパされたりするの?」
「うん、相変わらずね。でも結婚してるから無理って断ってるよ」
うちの妻は浮気なんてしない、これだけは胸を張って言える。
偽装された真実の行方
まるで見えない手に後ろから押させれているかのようだった。論理では考えられない行動を取ることが人間にはあるのだなと思う。感情という名の手に押された時、人は抗うことができなくなる。
あれは地元の友人と集まって居酒屋で飲んでいる時のことだ。僕の妻を他の男がほっとくわけながいという話で盛り上がっていて、それだけ美人だという嬉しい話でもあるのだけど、決して気持ちの良い話でもなかった。
妻はナンパされても断っているんだといくら説明しても、女は平気でウソをつくものだと笑ってあしらわれる始末だし、実際にきっぱり断っている所を見たことがあるか?と言われればなにも言い返せない。
妻を信じて疑わない僕に友人の一人が言った。それじゃ一つ試してみればいいじゃないか?何をバカなことを、そう思っていた。数日後、沖縄出身の営業マンという設定でその男は我が家にやってきた。うちの妻は浮気をしないということを証明するためだ。そう、うちの妻にかぎって…。
まるで見えない手に背中を押されているかのようだった。