妻・蓮実クレアの心と身体が間男に傾く
周りが羨むくらいラブラブな恋愛を経て結婚した記憶、まだ覚えてますよね？あなたが会社で仕事をしている時、奥さんはいったい何をしているのか、考えたことありますか？大丈夫、きっと大丈夫ですよ。何も心配いりません。
一途な奥さんだったから結婚したんじゃないですか。信じている妻が、知らない所で誰かに淫らに染められていく絶望感。今まさに不思議と背筋がゾクゾクしているんじゃないですか？
僕の津は浮気をしない
午後8時、妻の蓮実クレアが珍しくハマっているテレビドラマを一緒に見ていた時のことだった。SNSを通じて出会った青年とはあってはならない関係に溺れてしまう人妻をテーマにした酷い内容のドラマだ。
「こういうの興味あるの？」
「まさか！でもトキメキは大事だよね」
思わず同様して言葉に詰まってしまった。僕に対して妻は、もうトキメキを忘れてしまったということなのか？そんなはずはない。昔ほどではないものの相変わらず僕に甘えてくるし、回数自体は少なくなったけれど夜の営みだって続いている。携帯だっていつでも見れるし、むしろバイブが鳴る度に「ちょっと見て」と言ってくるくらいで、隠し事なんて一つもないんじゃないかと思う。僕の携帯は絶対に妻には触らせないけど…。つまり自信を持って”妻は浮気をしていない”と言い切れる。甘いよ、女を知らな過ぎる…。でも、なぜか僕の頭の中ではそんな言葉が繰り返されていた。
想像は僕を支配する
日に日に大きくなっていった奇妙な懸念を抑え切れなくなり、僕は一つの決断をした。妻の蓮実クレアを騙す様で気が進まないが仕方がなかった。もちろん僕は妻を信じている。だから自信があった。妻は浮気なんてしない。
住宅フォームの提案営業という設定で間男は我が家の敷居を跨いだ。巧みな話術で瞬く間に距離を縮めていく間男とまんざらでもないような笑顔で受け答えをする妻に今まで味わったことの無いような憤りを感じた。どうしてこんなことに？
「毎日の家事で、肩とか凝ってないですか？よかったらマッサージしますよ」自然と妻の背後を取り、上からだんだんと指を這わせていく。僕が想像以上に嫉妬深かったことを自覚し、自分がしたことを後悔しながら、それでも妻は裏切ることはないと思っていた。
目を背けたくなるような瞬間は唐突に訪れた。心臓が尋常じゃないスピードで鼓動し始める。悔しさと惨めさ、情けなさのあまり泣きながら拳を血が出るくらい強く握りしめていた。それなのに、僕の下半身はズボンを強く押し上げる程に興奮し、これからの展開に期待さえしているかのようだった。
「なんでお前にあんなベッピンな嫁さんがいるんだよ！」酔った同僚の言葉に、僕は思わず照れ笑いを浮かべてしまった。器量もスタイルも抜群で、一生分の運を彼女との結婚で使い果たしてしまったかのような奇跡だった。好きな仕事を辞め、専業主婦を選んで僕に尽くしてくれているうちの妻にかぎって「出来心」なんてあるはずがない。
